《Summer Pockets》 Short Story~在夏日的绚烂之中~鸣濑白羽篇

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《Summer Pockets》 Short Story~在夏日的绚烂之中~

鸣濑白羽篇】

新岛夕

译者:书书

日本語 中文

<贈る言葉>

  夏休み明けの学校は、夏休み前の学校と何が変わるわけじゃない。
 でも一ヶ月ぶりに見るクラスメートの表情は、なんだか以前とは、ちょっと違う気がする。
 私はどうなんだろう?


 二学期に入って一週間がたった。
 昼休みに入り、私はランチボックスを机に出してご飯の準備をする。
 周囲では、めいめいの仲良しグループが集まって、食事を始めていた。
「(さてと、いただきます)」
 私は心の中で独り言をつぶやきながら、お弁当に手あわせる。(言う相手がいないし)
「しろはいるかー!」
 突然、陽気な声が廊下から響いた。
「!?」
 クラスメートの女の子達が顔をおおいながら、頬を赤らめていた。
 見れば、別のクラスの三谷良一君が顔を覗かせていた。
 いいんだけど、なぜかワイシャツの前をはだけさせて、よく日に焼けた身体を露わにしている。
 私はひとまず他人のふりをすることにした。
「しろは、いないのか? しろはよー!」
「……」
 無理、らしい。私は立ち上がる。
「おう、いたいた! しろはー! ちょっといいか」
「わ、わかったから」
 好奇の目に見送られながら、私はしぶしぶと廊下へ向かう。


「……あの、なにかな……」
「そんな迷惑そうにしなくていいだろう。これ、渡しておこうと思ってな」
 良一君がポケットから何かを取り出す。
「やめて」
 私は反射的にそれを払いのけた。
「なぜはたく!?」
「変なものを見せられると思ったから」
「俺をなんだと思っている!」
「変な人」
「ま、まぁいいや……。そうじゃなくて、写真ができてな」
 言って良一君は封筒から、一枚の写真を取り出す。
「写真? !? ここここ、これはっ」
 それは、先週……夏休みの終わりに皆で撮った写真だ。
 中央には私がいて、そして私はある男の子に寄りかかるようにしている。
 ほとんど、抱きついているような格好で。
 これだけ見たら、まるで初々しい……初々しい……
「やめて」
「またはたいた!」
「そんなものを見せてどうするの」
「そんなものとは、ずいぶんな言い方だな。皆の記念写真じゃないか。ほれ」
「やめて」
「だからなぜはたく!」
「なんなの……」
 私は後ずさって、距離をとる。
「そんな迷惑そうな顔するなよ。頼みがあってな。これを羽依里に送って欲しいんだ」
「え、なんで」
 思わぬ名前が出てきた。鷹原羽依里。
 知らず、動悸が速くなっていくのを感じていた。
「おいおい。告白して恋人になったんだから。何を今更照れる必要があるんだ」
「そ、そういうのじゃないし」
「違うのか」
「ただの、友達……」
「まぁ……それでもいいから。頼むよ」
「……」
 私は考える。
 確かに、変に断るのもおかしいかもしれない。
 写真を送る。それだけのこと。
「写真を送ればいいんだね。分かった」
「ちょっと待て。写真だけ封筒につめて郵送しようとしてないか」
「? そうだけど」
「いや、なんていうか味気なくないか? それじゃぁ」
「食べ物でも一緒に送ればいいの?」
「違う違う。ほら、手紙でも書いたらどうだ」
「て、手紙!? なんで」
「なんでって。だから、写真だけ入れるってのも淋しいだろ」
「手紙を、書く」
「そんな深く考えなくていいから、頼んだぞ」
 良一君は手を掲げて去って行く。
「手紙……手紙……。うーん」
 私は立ち尽くしてうめいていた。





 困った。とても困った。
 写真を送るという話が、手紙というオプションが加わるだけで、なんだかすごくやっかいな作業になった気がする。
 手紙と言われてもなぁ。
「(書くことなんて……別に……)」
 食事をする気にもなれず、私はふらふらと廊下を歩きながら考える。
「加納、どういうことだ。夏はほとんど練習に参加しなかったじゃないか」
「?」
 向こうでは天善君がクラブの顧問の先生に、詰問されていた。
「申し訳ありません。実は、山にこもって特訓しておりました」
 ジャージ姿の天善君はラケットを構えながらかっこうつけていた。
「や、山に? 山にこもって何をしていたんだ」
「光速スマッシュを会得していました」
「光速スマッシュ!? それはどういうスマッシュなんだ……」
「すごい、速いスマッシュです」
「すごい、速いスマッシュとな」
「そうです」
「どのくらい、速いんだ」
「光速です」
「光速だと!? それじゃぁそれは……」
「光速スマッシュです」
「なんと!?」
 なんだかとても難しい話をしているみたいだ。
 やっぱり、他をあたろう……。
 天善君の話は時々私には難しすぎる。
「しろはじゃないか。どうした。浮かない顔をして」
 と思ったら、気づかれた。
「え、あの」
 結局、いきさつを天善君に説明することになった。
「……なるほどな。それで、何を書いたらいいか悩んでいると」
「うん」
「鷹原は部活のことで悩んでいたらしいが、その後はどうなんだろうな」
「そうだね」
 そうだ。羽依里は、水泳部でいろいろあったみたいだったし。
 その後、ちゃんと復帰できたのかな。
 泳げるようにはなってたみたいだし、もう大丈夫だよね。
 すごい、速かったし。きっと戻ったら、大活躍するんだろう。うん。
「……気になるか?」
「え!?」
 いつの間にか、考え込んでいたらしい。天善君に言われて我に返る。
「気になるなら、聞いてみたらいいじゃないか」
「でも、そういうの、聞いてもいいのかな」
 私の言葉に天善君も考えこむ。
「む。どうだろうな。デリケートな問題だからな」
「だよね」
「こう、そっと遠回しにさりげなく、触れてみるのはどうだ」
「遠回しにさりげなく? なんだかすごく難しそう」
「しろはなら出来るだろう。なんと言っても、しろはは小説家になるのが夢なんだろう」
「うん……」
 頷きかけた私はぎょっとして慌てて首を振った。
「いつそんな夢を語った!?」
「なに、違ったか。小説家になるのが夢なのは、俺の従姉妹だったか」
「なんでちょいちょい私と従姉妹の子を混同する!」
「いや、俺の従姉妹もしろはと同じように癖毛で悩んでいてな。それで混同してしまうというか」
「言ってるそばから混同してる! 私は、そもそも癖毛を気にしてなんかいないよ!」
「そうだったか、すまん。結構癖毛だからてっきり……」
「気になるようなこと言うなっ」
 はぁ、はぁ。つい、ムキになって反論してしまった。
 もしかして私は、癖毛を気にしてる?いやいや、変なことに惑わされちゃだめ。
 そうだ、ちょうどいいから天善君に頼んでみよう。
「あの、天善君が羽依里に送る気は無い?」
「うん? なんでだ」
 不思議そうな天善君。私は、彼の心に響きそうな理由を適当に考えた。
「ほら、卓球の特訓の一環として」
「しろは」
 天善君は真顔で私を見返した。
「はい」
「手紙と卓球は、別に関係ない。冷静になれ」
「はい」


「んー……」
 天善君と別れ、ガラス窓に映った自分の顔をまじまじと見る。
 そんなに癖毛じゃないよね……。
「しろはー」
「あ、蒼」
 明るい笑顔を振りまいて、蒼が歩いてくる。
「どうしたの、天善と何か相談してたみたいだけど」
「あのね……癖毛が……」
「癖毛?」
「違う!」
「??? どうしたの」
「手紙を書くアドバイスをお願いしたんだけど、変な話題になって」
「かんっぜんに人選を間違っているわね。手紙ってあいつ……羽依里によね
」 「う、うん。蒼なら、何を書く?」
「あたしなら、何を書くか」
 蒼は少し考え込む。
「その、しろはとあいつはおつき合いしてるんでしょう」
「え、えええええ」
「いや、照れなくてもいいじゃない。公衆の面前であんな告白しておいて」
 蒼が苦笑いする。
「だったら、そういうこと書いたらいいんじゃない?」
「そういうことってなに」
「な、なんだろ、えと、ほら……例えば、ちゅーしたいとか」
「ぶっ」
 私はつい、むせてしまった。
「書かないよ! いきなりそんなこと」
「いやごめん。あはは……ちょっとストレート過ぎるわよね。でもしたいとか思うでしょ」
「したくないよ。そんなこと思わないよ」
「思わないんだ。あたしなら思うけどなぁ」
「だ、誰と」
 私の言葉に、蒼は少しぎょっとした顔で動揺する。
「い、いや。あいつとじゃないわよ? 一般論として。それにそんなこと書いてもらったら、うれしいと思うけどなぁ」
「う、うれしいのかな」
 考えてみるけど、ぴんとこない。天善君以上のむちゃぶりが来た気がする。
「じゃぁさ、ほのめかすぐらいなら、いいんじゃない」
「ほのめかす?」
 なんか、天善君も似たようなことを言ってたような。
「(ほのめかすのは、ありなのかな。よく分からなくなってきた……)」
 もっと、まともなアドバイスくれそうな人いないかな。
 そうだ。1人、顔が浮かんだ。
 私はCクラスに足を向ける。


「のみき」
 のみきは、自分の机で改造銃の手入れをしていた。私の声に振り返り、やってくる。
「お? しろはじゃないか。珍しいな。どうした」
「あの、写真を送れって言われて……少年団を代表して」
「ああ、そうそう。悪いが頼んだぞ」
「うん。それはいいんだけど。手紙も一緒に、送れって言われて。送らなくていいよね。写真だけで……」
「手紙? あぁ、それはあったほうがいいだろうな」
「そ、そう……。でも……。手紙って言われても。私もあまりそんなもの書いたことがないし」
 ふと気づく。別に私のことを書かなくてもいいんだ。あくまで代表として送るだけなんだから。
「のみきから、何か伝えておくこととかない?」
「私から? 鷹原にか?」
「うん」
「そうだな……礼を言っておいて欲しい」
「礼?」
「まともな実験体といえば、鷹原だけだったからな。いろいろと、ありがたかった。良一はすぐ死ぬし、天善はラケットで全部防いで、変にテンションが高くなっていくしな」
 ……のみきはぶつぶつ言っている。
「そ、そう」
 まともな実験体。その単語がもう、まともじゃないような。
「いや違う」
 はっとのみきは何かに気づいたように首を振った。
「私のことなんてどうでもいいだろう。しろはは自分のことを書くんだ」
「でも、島の代表として書くだけだし。私のことは別に」
「まぁ、そうだろうが。鷹原は知りたいと思うぞ。しろはのこと」
「わ、私のことって言われても。難しい」
「そうか。でも手紙で改めて、自分のことを話してみてもいいだろう」
 行ってしまった。
 改めてもなにも、書くことなんてないよね。
 学校にきて、普通に寝て、生活をして。
 なんでもないようなことでも良い、か。
 昨日の晩ご飯が美味しかったです、とか?
「~~~」
 ダメだ。まとまらないよう。
「うん?」
 あの人は……。
 向こうを歩いていく先輩。確か、そう……水織先輩。
 そんなに知らないけど歳上だし、もしかしたらいい助言をくれるかもしれない。
 勇気をもって話しかけてみることにした。
「あ、あの!」
「え?」
 振り返った先輩が私を見て、ぱっと笑顔になった。
「あら。しろぱさん」
 ……しろぱ? まぁいいか。
「どうしたの」
「ちょっと相談がありまして」
「相談?」
 不思議そうに私を見た先輩は、
「あぁ、そう。しろはさんぐらいの大きさでも、私は十分だと思うけどなぁ」
「お、大きさ?」
「でももっと上を目指すというのなら。ずばり、もんでもらいなさい! 羽依里君に」
「なななな、何の話ですか!?」
 話があらぬほうにいくのを正しながら、なんとか先輩に説明を終えた。
「手紙? 手紙ねぇ」
 あごに手をやって、先輩はしばし考える。
「男の子の気持ちは私にはよくわからないけど、私がもらってうれしい手紙がどういうのかは教えてあげるわ」
「ほんとですか。お願いします」
「ずばり、『ぱいたく』」
「ぱい、たく」
 ぱいたく……ぱいたく……。聞いたことのない単語だ。
「なんですか、それ」
「うーん。しろはさんはうぶなのね。ぱいたくといったらぱいたくよ」
「???」
 きょとんとする私に、先輩はそっと耳打ちをする。
「ぱいたくっていうのはね……」
「はい」
 ……
「なななななななななな」
 私はすごい勢いで後ずさって、先輩から距離をとった。
「そんなおぞましいものを見るような目で……」
「バカですか! 変態ですか!」
「一房のおっぱい、よ」
「バカで変態!」
「ふふ、でも喜ぶのは確かよ」
「そんなのあなただけ!」
「だって、字だけじゃ淋しいじゃない。その人の存在が感じられるような痕跡が手紙にあったらうれしいなって私は思うわ」
「痕跡が感じられる……」
 もっともらしいことを言ってるけど、すごくダマされてる気がする。
 でも一応、参考として心にとどめておこう。


 席に戻り、手紙と向かい合う。
 集めた情報をまとめてみることにした。
 なんだか一貫性のないアドバイスばかりだけど、
 とにかく書いてみよう。
 案外、形になるかもしれない。
 ……10分後。
 案外すらすらと書けた。





『拝啓 鷹原羽依里 様

 写真を送ります。
 あの時は後ろから誰かに押されてこのようにぶつかってしまい、すいませんでした。

 ぶつかると言えば、ぶつか……部活? そういえば、部活的なものを休んでるとか。
 聞いたよう気もします。そんなに気にしてるわけじゃないですが、どんな感じでしょう。

 話は変わりますが、外国の映画を見ていると、簡単にキスしたりしていますね。
 文化の違いですね。でも国際化甚だしい世の中なので、日本もああなっていくのでしょうか。
 ちょっと恥ずかしいですね。(他意はありません)

 私は元気にやっています。
 昨夜は、カレイの煮付けに湯豆腐を食べました。とても美味しかったです。
 それが私の近況です。

 追伸 のみきが実験体になってくれてありがとう。とのことです。

 あと私の指紋を押しておきます。どうぞ』

 改めて読んでみると……
「絶対ない!」
 あり得ない。
 そもそもなぜ指紋が押されている。
 赤い手形は手紙の最後に陣取り、血判状のような、謎の物々しさを醸していた。
「手紙……分からない……分からない」
 混乱は極まって、私は机の上につっぷしてしまった。知恵熱がぐんぐんあがっていく。
「鳴瀬さーん」
「!? な、な、なに」
 慌てて飛び起きた私は、背筋をぴんと立てて振り返った。
 なんか臨戦態勢の猫みたいだなって、自分で思う。
「いや、頭から煙出してたから大丈夫かなって」
 声をかけてきたのは同じクラスの、女の子グループだ。
 向こうでお弁当を食べていると、うんうん悩んでいる私のことが目に入ったらしい。
「なになに、宿題忘れてきたの」
「あんたじゃないっつーの」
 女の子達は興味津々に私を取り囲んでのぞき込んできた。
 思わぬ事態に萎縮しながらも、絞り出すように答える。
「て、手紙書いてて……」
「手紙って? 誰に」
「この前の夏休みに知り合った……人」
「人って、誰」
「誰って……それは……」
 ……私は、ざっくりと経緯を話した。(だいぶつっかえながら)
「ええええ、夏休みに遊びに来ていた男の子に!?」
「そ、そう」
「で、遠い地元に帰ったその人に、手紙書くんだ」
「なんか素敵!」
「そ、そういうのじゃないよ」
「彼氏じゃないの?」
「違う……」
「そうなんだ」
「でも、手紙とか苦手だから」
「あーわかるわかる。家族に手紙とかもそうだけど、改めて書くのって照れくさいしね」
「そ、そうそれ」
 やっと、共感が持てる意見が出てきた。ちょっとうれしい。
「こういう時はあれだな。キャッチコピー戦略だよ」
「キャッチコピー?」
「一言だけ、一番伝えたいことをびしっと書いてみるの」
「そうそう、いろいろと書こうとするからまとまらないんだよ」
「一言だけ……うん、それならやれそうかも」
「うんうん」
「それで、鳴瀬さんってさぁ」
「え、なに」
 ……
 そのまま知らない人達とランチをしてしまった。
 ううん、クラスメートだから、知らない人ってわけじゃないんだけど。
 人と食べるのって気を遣って疲れるなぁ。
 でも……少し楽しかったかもしれない。
 そう楽しかった。
 先月のことを思い出す。
 羽依里がやってきて、それで夏休みにいろんなことをした。
 一言だけ、一番伝えたいこと。
 言いたいこと。
 それは……
 会いたい。
 また、会いたい。
「……会いたいな」
 え……。
 わ、私は何をつぶやいている!
「~~」
 こんなこと書けるわけないよね。
 でも、似たようなことなら。
「よしっ」





 二学期がはじまって一週間がたった、
 夏休み明けといったら良いのか、謹慎明けといったらいいのか。
 俺の停学だって休みに重なっていたせいで、他の生徒には知られていない。
 ただ、休みがちだった生徒が夏休みを境にちゃんと出席するようになった。
 そうして、昔のように、クラスメートとも何気ない会話を交わすようになった。
 それは、俺以外、誰も気に留めないような小さな変化でしかない。
 でも、俺にとっては……夏が終わりにさしかかり、秋を先取りするように、夏休み前と後では、季節が一変したような。そんな気持ちだった。
 今ではこの街での一日一日が不思議と新鮮に感じられた。
 あの島で過ごした日々みたいに。キラキラしていた。
 あの島のまっすぐな日差しのまぶしさが、まだまぶたに残っていて。この街での生活さえ照らしてくれているような、そんな気がした。

 ある朝。
 玄関を出て、ポストに便箋がはさまっているのを見つけた。
 差出人は、
『鳥白島少年団』
 となっている。
『鷹原羽依里 様』
 と、細い字で書かれている。
 胸を高鳴らせながら封を切る。
 かすかに潮の匂いをかいだ気がした。
 ──あの日々のことが蘇る。
 真っ暗な夜のあぜ道。
 かすかに聞こえる虫の音をきりさいていく、バイクの音。
 満天の星空。
 そうして懐かしい面々が写った写真を俺は手にしていた。
 懐かしくて、照れくさい写真。
 同封された手紙には、
『いつでも帰ってこい』
 力強く、ただそれだけ書かれていた。
 空を、鳥が飛んでいく。
 そうだ。
 俺はいつでも帰ることができるんだ。
 あの場所に。
 あの夏に。
「いってきます!」
 気がつけば全力で俺は走り出していた。
 次の夏休みに続くその道を。

<予君之语>
 
  开学之后的学校,同放假之前的学校相比,并没有什么差别。
 不过,从一个月不见的同学身上,似乎感觉到了些许的不同。
 那我又怎么样了呢?


 第二学期刚开学一周。
 午休时间,我从书桌里拿出饭盒,准备吃午饭。
 我身边倒是有不少同学三三两两地坐在一起吃饭。
「(那么,我开动了)」
 我在心中默念,双手合十。(反正也没人听)
「白羽在吗——!」
 突然间,耳边传来很阳光的声音。
「!?」
 班上的女同学纷纷捂住了脸,双颊泛红。
 抬起头,发现隔壁班的三谷良一正在探头探脑。
 这倒是无所谓,可是他偏偏不扣上白衬衫的口子,袒露出那饱受阳光沐浴的身体。
 我选择先跟着其他人一样,默不作声。
「白羽,你在不在啊? 白羽——!」
「……」
 看来是瞒不住了,我默默站了起来。
「哦,你这不在的嘛,白羽啊! 稍微找你有点事儿」
「我,我知道了啊」
 我撇开好奇的目光,默默走向走廊。


「……那个,什么事啊……」
「不要摆出这种不耐烦的表情嘛。我正想着把这玩意寄出去呢」
 良一从口袋里掏出了什么东西。
「不要啊」
 我下意识地把他的手撇开了。
「为啥撇开啊!?」
「因为我感觉你要给我看奇怪的东西」
「你觉得我是什么人啊!」
「奇怪的人」
「这,这也行吧……不是说那个,照片洗出来了」
 良一他一边说着,一边从信封里拿出一张照片。
「照片? !? 这这这这,这个是!」
 那是,一周前……大家在暑假结束时一起拍的合照。
 我站在中间,还默默靠向一个男孩子。
 我们几乎就是抱在一起了。
 光看这张照片,仿佛我们就是……就是小……
「不要啊」
「你又这样!」
「你让我看那东西是为什么呀」
「什么叫‘那东西’啊。这不是大家的纪念合照吗。你看」
「不要啊」
「所以说为啥撇开啊!」
「什么啊……」
 我往后退了一步,拉开了一点距离。
「不要摆出那种不耐烦的表情啊。想拜托你件事,能不能把张照片寄给羽依里啊」
「啊,为什么」
 出现了一个意料之外的名字——鹰原羽依里。
 感觉自己的心跳下意识地加快了。
「喂喂,你们俩不都告白成恋人了吗,为啥现在反而要害羞啊」
「才,才不是那种关系呢」
「不是吗」
「仅仅是,朋友而已……」
「嗯……算了,那也行吧。拜托了」
「……」
 我陷入了沉思。
 确实,拒绝这种事情反而显得很奇怪。
 毕竟,仅仅是寄出一张照片而已。
「只要送照片就行了是吧,我知道了」
「等一下,你不会是想着直接把信封封上然后直接拿去邮局吧」
「嗯? 是啊」
「不是,不觉得那样很不够意思吗? 那么就」
「送点吃的吗?」
「不是不是。这样吧,写封信过去怎么样」
「写,写信!? 为什么」
「为什么?你想想,光一张照片,不显得很寂寞吗」
「那么,我来写」
「反正也不用想那么多,拜托你了啊」
 良一挥了挥手,离开了。
「写信……写信……嗯……」
 我呆呆地站在了那里。
 
 我很迷茫,非常地迷茫。
 本来只需要寄一张照片,现在虽然只加了写信这么一件事,我也觉得变得非常麻烦。
 就算是让我写信……
「(可是……我压根就没有……)」
 我连饭都不想吃了,只身在走廊徘徊着。
「加纳,你这是怎么回事啊。你这一整个夏天都没有来参加练习啊」
「嗯?」
 前方是正在被社团老师质问的天善。
「非常抱歉。我是一个人在山里训练的」
 穿着外套的天善君拿着球拍,耍了个帅。
「在,在山里? 你在山里搞什么啊」
「我领悟到了光速扣杀的奥妙」
「光速扣杀!? 那是怎样的扣杀啊……」
「非常之快的扣杀」
「非常之快的扣杀吗」
「正是」
「究竟有多快啊」
「光速」
「光速!? 那么不就是……」
「光速扣杀」
「什么!?」
 好像在讨论什么很复杂的事情。
 果然,还是换个人说吧……。
 天善他不时会说出一些我不能理解的话。
「这不是白羽吗。怎么了,摆着这副表情」
 我正想着要离开,可是被他发现了。
「啊,那个」
 到头来,还是老老实实地把事情的经过告诉了天善。
「……原来如此啊,所以说,你现在不知道该写什么对吧」
「嗯」
「鹰原不是在社团活动那边有点事情吗,后面怎么样了」
「说的对啊」
 对啊,羽依里应该是在游泳部那里出了不少事情。
 在那之后,他到底有没有归队啊。
 他现在也能好好游泳了,应该没问题了吧。
 他真的非常快。如果他以这个状态回去,应该可以大放异彩的吧。一定的。
「……你很在意吗?」
「啊!?」
 好像,我不经意间就陷入沉思了。听到天善的话才回过神来。
「在意的话,直接问不就好了」
「可是,那种事情,直接问真的好吗」
听了我的话,天善陷入了沉思。
「嗯,不清楚啊,毕竟这问题也很敏感」
「对吧」
「如果说,稍微绕一下,然后在不经意地问一下,会不会好些啊」
「稍微绕一下,然后在不经意地? 感觉上就很难啊」
「白羽的话做得到的。毕竟怎么说,白羽也是有着成为小说家的梦想啊」
「嗯……」
 我正想要点头,结果马上反应过来,开始拼命摇头。
「我什么时候说过有这种梦想啊!?」
「怎么,弄错了吗。好像想要成为小说家的是我的表妹来着」
「为什么就这么把我和你表妹等同啊!」
「怎么说呢,因为我表妹也和你一样被炸毛困扰啊。所以才搞混了」
「你上来就说错了啊! 我本来就不怎么在意炸毛的!」
「是吗,对不起。因为你炸毛还是挺多的,所以……」
「别说这种让人在意的话啊!」
 哈,哈。结果,我都气到反驳了。
 难道我真的很在意炸毛吗?不不不,不要被奇怪的话给冲昏头脑了。
 对了,正好拜托他寄给羽依里吧。
「对了,天善不想寄给羽依里吗?」
「嗯? 为什么」
 天善一脸不可思议,我试着说出一些他喜欢的理由。
「想想看,当做训练乒乓球的一环」
「白羽啊」
 天善一脸正经地看向我。
「嗯」
「写信和乒乓球,可一点关系都没有。你冷静一点」
「嗯......」


「嗯……」
 在那之后,我一个人站在玻璃窗前。
 我也没多少炸毛啊……。
「白羽——」
「啊,苍」
 苍带着爽朗的笑容走了过来。
「怎么了,看你和天善在聊些什么」
「那个……炸毛……」
「炸毛?」
「不是!」
「??? 怎么了啊到底」
「本来是拜托他帮忙写下信,结果聊得越来越奇怪了」
「你这压根就是找错人了嘛。写信是给那家伙……给羽依里的吧」
「嗯,没错。苍的话,会写些什么呢?」
「我的话会写什么啊...」
 苍稍微思考了一下。
「对了,白羽你不是和他在交往吗」
「啊,啊————!?」
「不是,不用这么害羞啊。明明你们还在公众面前那样告白来着」
 苍满脸苦笑。
「那么,干脆就写那种东西吧」
「那种东西是什么啊」
「什,什么呢,哈哈,你看……比如说,想啾什么的」
「噗」
 我被自己的口水呛到了。
「写不出来啊! 你突然说什么呀!」
「啊,对不起。啊哈哈……这还是太过于直接了。不过你想的吧」
「我不想啊!根本就没想过啊!」
「你居然不想啊,我倒是想过呢」
「和,和谁?」
 听到我这句话,苍很明显的动摇了一下。
「不,不是。可不是和那家伙哟? 只是一般来说。况且,如果你写上去了,他应该会感到开心吧」
「会,会吗」
 想来想去也没有头绪。感觉她比天善君还要乱来。
「那这样,干脆暗送秋波吧,你觉得咋样」
「暗送秋波?」
 总感觉她和天善说了些差不多的东西。
「(暗送秋波到底可不可行啊。越来越搞不懂了……)」
 到底还有没有能给个正经建议的人啊。
 对了。脑海里浮现出一个人的面庞。
 我走向了C班。


「野美希」
 野美希正好在修理自己的改装枪。听到我的声音后,跑了过来。
「哦? 这不白羽嘛,难得你过来啊,怎么了」
「那个,刚才别人拜托我说代表少年团……寄出这张照片」
「啊对,没错。不好意思,得麻烦你了」
「嗯,那倒是无所谓。不过还说要顺便寄一封信过去。其实只要寄照片就可以了吧……」
「信? 那个,我觉得有的话更好啊」
「是,是吗……可是……就算让我写,我也没写过啊」
 突然发现,其实不用专门写我自己啊,毕竟我也仅仅是代表了少年团而已。
「话说野美希有没有想说的话啊?」
「我? 给鹰原吗?」
「对」
「我想想啊……帮我谢谢他」
「谢谢?」
「毕竟,正经的实验体只有他一个人啊。各种意义上都很感谢他:良一一下子就瘫了,天善总是用球拍防住,所以他的到来让我都兴奋起来了」
 ……野美希在嘟囔些什么。
「是,是吗」
 正经的实验体,这个词本身就已经很不正经了。
「啊不对」
 野美希突然意识到了什么,摇了摇头。
「我无所谓啦,白羽你写写自己就行了」
「可是,这是代表少年团吧。我的话无所谓的」
「说是这么说。可是鹰原最想知道的,不就是白羽你吗」
「可,可是就算是说我,我也觉得好难啊」
「对了,那么就趁着这机会,你好好写下你自己吧」
 她走开了。
 说是趁这个机会,可我也没什么好写的啊。
 上学,睡觉,普通的生活。
 其实,随便写点家长里短也行?
 比如说昨天的晚饭很好吃之类的?
「嗯~~~」
 不行啊,根本没有头绪。
「嗯?」
 那个人是……。
 前面那位学姐。记得应该是……水织学姐。
 虽然我不是很了解她,不过毕竟她要年长,说不准能给出什么好的建议呢。
 我鼓起勇气,试着去搭话。
「你,你好!」
「嗯?」
 学姐回过头,脸上笑开了花。
「哎呀,这不是白乳同学吗」
 ……白乳? 算了,无所谓了。
「怎么了吗」
「稍微有点事情想请教一下」
「请教?」
 学姐不可思议地看着我。
「啊,对了。其实我觉得白羽同学的大小已经非常合适了」
「大,大小?」
「不过,你如果想变得更大的话。一句话,揉! 让羽依里来!」
「你你你你,你在说什么呀!?」
 我费了好大劲才和学姐解释清楚我的来意。
「写信? 写信啊」
 学姐把手贴到脑门上,思考了一会儿。
「我虽然不是很明白男孩子的心情,不过我可以告诉你我希望收到什么样的信」
「真的吗,请告诉我」
「一句话,『乳拓』」
「乳,拓」
 乳拓……乳拓……没听过的单词。
「那是什么呀」
「嗯……白羽同学毕竟是新人啊。乳拓就是乳拓啊」
「嗯???」
 学姐看我一脸茫然,默默凑到我耳边。
「所谓乳拓啊……」
「嗯」
 ……
「什什什什什什什什什什」
 我一下子往后跳了一下,拉开了和学姐的距离。
「别用那种惊恐的眼神看着我啊……」
「你是笨蛋吗! 你是变态吗!」
「我仅仅是一颗欧派而已」
「不仅是笨蛋还是变态啊!」
「哼哼,不过他肯定会高兴的」
「那只有你好吧!」
「因为,只有字的话也太寂寞了。我觉得,如果是那种能够让对方感觉到寄信人的话,应该会感到高兴的」
「感觉到……」
 虽然感觉她说的很有道理,可是我还是感觉被耍了。
 不过,姑且还是记下了。


 我回到座位上,看着信纸。
 稍微整理了一下之前听到了东西。
 虽然都没有什么一贯性。
 不过还是试着写写。
 好像,还挺煞有介事的。
 ……10分钟后。
 居然很流畅地写出来了。
 
『致 鹰原羽依里先生

 寄给你一张照片。
 当时不知道是谁在后面推了我一下,结果撞到一起了,真不好意思。

 说起撞到一起……撞到一团……社团? 
说起来,我记得你说过你应该是社团里出了什么事。
虽然我也不是很在意那个,不过现在怎么样了呢。

 换个话题,在国外的电影里,亲吻是真的很常见呢。
 这应该就是不同文化之间的区别吧。不过现在国际化这么流行,日本应该也可以那样吧。
 稍微有点害羞就是了。(我没有其他意思)

 我自己挺好的。
 昨晚吃了咖喱炖豆腐,挺好吃的。
 这就是我最近的情况。

 还有 野美希说很感谢你成为她的实验体。

 然后,这是我的指纹』

 重新读了一遍后……
「这都什么啊!」
 这信完全寄不出去。
 说到底,我为什么要按上我的指纹啊。
 在信纸最后的红色手印,总感觉酝酿着军令状一般的不稳气息。
「我……想不明白……这信到底怎么写啊」
 我脑袋里一团乱麻,索性趴到桌子上,脑门还越来越热了。
「鸣濑同学——」
「!? 什,什,什么」
 我吓得直接跳了起来,转过头去。
 我自己都觉得自己像是如临大敌的猫咪了。
「不是,看你脑袋冒热气,想问问你有没有事」
 向我搭话是班里的几个女生。
 好像是在那吃饭的时候,看着我这样子,有点在意了吧。
「怎么了,忘记做作业啦?」
「又不是你好吧」
 女生们兴致勃勃地围在我身边。
 因为实在是太出乎意料而有点害怕,不过我还是尽力说了出来。
「我,我在写信……」
「写信? 给谁啊」
「写给在暑假认识的……一个人」
「那个人是谁啊」
「那个……那个人的话……」
 ……我很干脆地说了出来。(好像还是挺结巴的)
「啊——写给暑假来玩的男孩子!?」
「嗯,对」
「因为他回到了离这儿很远的老家,所以要写信给他吗」
「感觉好棒啊!」
「不,不是那样啊」
「不是你男朋友吗?」
「不是……」
「不是啊」
「不过,我不擅长写信」
「啊,懂得懂得。虽然我也经常和家里写,不过专门给别人写,还真的挺害臊的」
「嗯,就是那个感觉」
 终于找到相似的意见了,稍微有点开心。
「这时候就那样啊,口号战略」
「口号?」
「一口气写下最想说的那句话」
「对对,写太多的话反而会搞迷糊的」
「只说一句……确实,那样的话应该可以」
「对对」
「对了,鸣濑同学啊」
「怎么」
 ……
 顺势就和不认识的人一起吃午饭了。
 不对,毕竟也是同班同学,也不算不认识的人。
 和别人一起吃饭还真的累啊。
 不过……感觉稍微有点开心。
 对,很开心。
 我回想起了上个月的事情。
 羽依里来了,然后我们在暑假里做了很多事情。
 最想传达的一句话。
 想说的话。
 那就是……
 想见他。
 还想,再见到他。
「……好想见他啊」
 嗯……
 我,我在嘟囔些什么呀!
「啊~~」
 这种话也写不下来啊。
 不过,换个说法的话。
「好的!」
 
 
第二学期开学的第一周、
 该说是暑假结束呢,还是该说刚刚解禁呢。
 因为我的停学处罚是在假期里,所以其他人也不知道。
 只是,本来应该还在休息的学生,暑假过后,反而能够正常上课了而已。
 正因如此,我也才能和从前一样,和同学聊着一些毫无营养的话题。
 那不过是,除了我之外,无人觉察到的小小变化。
 不过,那对我而言……仿佛就像是夏天结束、秋天来临,和暑假相比几乎就是两种季节。
 我现在也觉得这个小镇很是新奇。
 那个小岛上度过的日子,还闪闪发光。
 那个小岛上猛烈的日光,仿佛还留在眼睑上,甚至照亮了我眼前的这个小镇。

 某天早上。
 走出大门,发现邮箱里有一封信。
 寄出人是
『鸟白岛少年团』
 上面还用隽秀的笔迹写着
『鹰原羽依里先生』
 我略微激动地撕开了信封。
 感觉到了一丝潮水的气息。
 ──我回想起了那些日子。
 夜里漆黑的坑洼小路。
 冲破些许虫鸣的摩托轰鸣。
 漫天的星星。
 然后,我手里是一张有着许许多多熟悉的面孔的照片。
 很是怀念,却又有些害臊。
 信封里还有一张信纸
上面只有一句用力写下的话

『我们随时欢迎你回来!』
 天上,有几只飞鸟。
 对啊。
 我其实什么时候都能回去。
 回到那片地方。
 回到那个夏天。
「我出门了!」
 回过神来,我正在全力奔跑着。
 奔跑在通向下一个夏天的路上。